「あはれてふ 言の葉ごとに置く露は 昔を恋ふる 涙なりけり」
「世の中の うきもつらきも 告げなくに まづ知るものは 涙なりけり」
古今和歌集 よみ人知らず 二首

(大意)
・「あはれ」と言うごとにその 「言の葉」の上にに置かれる露は、昔を恋しく思う涙なのです
・ 世の中の嫌なことや辛さを告げてなどいないのに、まずそれを知るのは涙なのです

葉の上に朝露という宝石のような玉が乗るように、もし心の中に言葉という葉があるとしたら。
その上に乗る露はきっと、昔を恋ふる涙なのでしょう。
心が動かされたときには否応なしにも涙が生まれる。その直感こそ大切にしたいと思う。

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書家 書道家 根本知 Nemoto Satoshi オフィシャルサイト
(神楽坂書道教室)