『維摩経』の一節。
維摩は、並みいる仏弟子や菩薩たちを弁舌でやり込めるほどの人物。
あるとき維摩は病気となったが、皆苦手意識をもって見舞い行くものは現れない。
しかたなく智慧第一の文殊菩薩が行くことになる。
文殊の一行が到着すると、維摩は文殊と問答をする。
様々口論したうえで、文殊は維摩に真理を語るように詰め寄るった。
皆が見守るなか、維摩がとった行動は、なんと口をつぐんで一言も言わないことだった。
これは後に「維摩の一黙、響くこと雷の如し」と評せられ『維摩経』の最も有名な一節となった。
知識あるものが、それでも説明できぬものこそ真理。
芸術に携わる者として肝に銘じておきたい言葉である。
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書家 書道家 根本知 Nemoto Satoshi オフィシャルサイト
(神楽坂書道教室)